マーケットイン? OR プロダクトアウト?商品企画に必要なアイデア発想法

2021.10.20

AorB

どんな発想をしたら、ユーザーが欲しくなる、買いたくなるヒット商品を生み出すことができるのか?
企画の初期段階では、ユーザーばかりか社内の人間でさえも「どういったものが欲しいのか」、「何が売れるのか」について答えをもっていないことがほとんどです。
商品企画のアイデアの発想方法にはマーケットインとプロダクトアウトという2つのアプローチ法があります。
この2つのアプローチの違いについて、また、2つをどう使い分けたらよいのかについて、私なりの考えをお伝えします。

■ 顧客に何が欲しいかを尋ねたら、もっと速い馬車が欲しいと答えただろう

これはフォードの創立者ヘンリー・フォードの言葉です。
スティーブ・ジョブスもこの言葉をよく引用していました。

ユーザーは答えをもっていません。
そういう状況で「どうやってユーザーが欲しくなるヒット商品を生み出すのか?」について考えてみましょう。

いろいろなヒット商品の中には導入当初全く売れなかったものが多々あります。

ウォークマン
iPhone
Facebook
デジタルカメラ

これらの商品は導入当初、ユーザー(顧客)になかなか理解されませんでした。
企画段階においては社内でさえ理解されていなかったのではと思います。

例えばウォークマンなどは、他の役員も社内もみな反対で、ユーザー調査をしてみても誰も欲しくないという結果だったとのこと。
新規性の高い商品やサービスは顧客が理解してくれるまで時間がかかるものです。

私自身が携わった企画でも同じような事例がたくさんありました。

高音質ミニディスク/R-DATテープの導入したときのこと。
「デジタルなのに、さらに記録メディアなのに音が良くなるわけがない」とか
「ユーザーもそんなの求めていない」
などと企画段階では社内でもほとんど理解が得られませんでした。

USBメモリーを日本に導入したときはフロッピーディスク全盛の頃。
当初、営業担当や販売店は見向きもしてくれませんでした。

そこをプロトタイプで証明したり、テスト販売したり、で進めていくわけです。
こういった苦労が企画担当としては大変ですが、それだけにやりがいがあるところでもあります。

話はそれましたが、後々ヒット商品となるものでも、企画の初期段階では、ユーザー(顧客)ばかりか社内の人間でさえも「どういったものが欲しいのか」、「何が売れるのか」について答えをもっていないことがほとんどです。

この記事ではヒット商品につながるアイデアの発想の方法について見ていきたいと思います。

■ マーケットイン・プロダクトアウト

さて、前述の ”ウォークマン” や ”iPhone” などは、作り手側が「これは面白いのではないか」とか「売れるのではないか」と発想し、生まれた商品と言えるでしょう。
つまり作り手主体の 「プロダクトアウト」 です。
上記の私自身がかかわった企画にしても作り手側が主体となっているので、「プロダクトアウト」の考え方から生まれたものと言えるかもしれません。

それに対し、ユーザー(顧客)のニーズに合わせて開発した商品は「マーケットイン」の発想を元にしているといえます。
コラム記事「ユーザーの潜在課題・潜在欲求の分析がヒットを生む」では、顧客からのヒアリングを通して「顧客ニーズをつかむ」ことの重要性について触れています。

先日、新規事業開発に関するセミナーに参加した際は、講師の方がプロダクトアウトの発想ではダメ、必ずマーケットインの発想で行くようにと力説されていました。

「マーケットイン」・「プロダクトアウト」、どちらの発想を重要視するのか?

結論から言うと私自身は、プロダクトアウト派ですが、
もう少し正確に言うと、

” 新しいモノやサービスを生み出すならプロダクトアウトで発想し、マーケットイン的に顧客視点をしっかり持つ必要がある ”

というが私の意見です。
つまり、両方の視点が必要ということです。

前述の ”ウォークマン” や ”iPhone” などは 、プロダクトアウト的発想から生まれたと言えます。
言いかえれば、こういった市場創造型の商品やサービスは、マーケットインの発想からは生まれてきません。

ただ、顧客視点が全くなくてもよいかというとそうではなく、どこかの段階でしっかり顧客視点を持っていないと、時間がたっても、まったく売れない商品、立ち上がらないサービスになってしまいます。

「新商品を作ったけれど、全く売れない。」という声をよく聞きますが、これはその企画の顧客価値を全く考えていなかったか、マーケット視点、顧客視点が足りなかった結果でしょう。

■ 3つのイノベーションタイプと効果的な発想方法

「イノベーションのジレンマ」や「ジョブ理論」で有名な、クレイトン・クリステンセン氏は、イノベーションには3つのタイプがあると言っています。

①市場創造型
②持続型:市場にすでに存在する商品やサービスの改良
③効率化:商品やサービスの提供などのプロセスの効率化

①の市場創造型 で新しい市場を創造し、その事業を拡大するために、②持続型 や ③効率化 を企画していくということになります。

①の市場創造型 の事業や商品、サービスを企画するときは、プロダクトアウト的な発想を持っていないとよいアイデアの種は見つかりません。

逆に、②持続型 や ③効率化 の商品やサービスを企画するときは、マーケットインの発想で顧客課題をうまく見つけることで、よりよい、確実な企画になっていきます。

また、企画のアプローチは、私の感覚では次のようなイメージになります。

「売れる商品・サービスをつくる」:マーケットイン
「新しい商品・サービスをつくる」:プロダクトアウト

どちらが正しいかということではなく、どちらが好みか、どちらに価値を置いているかだと思います。

私の場合は、前職ソニーの企画時代に「まだ誰もやっていない世界初を企画しろ」と言われ続け、それが染みついてしまっているので、やはりどんな小さな企画でも、プロダクトアウトの発想は入れたいと思っています。

皆さんは、マーケットイン、プロダクトアウト どちら派ですか?

■ まとめ

後々ヒット商品となるものでも、企画の初期段階ではユーザー(顧客)ばかりか社内の人間でさえも「どういったものが欲しいのか」、「何が売れるのか」について答えをもっていないことがほとんどです。

では、どうやってヒット商品を生み出すのか、そのアイデアの発想方法に
マーケットイン : ユーザー主体の発想
プロダクトアウト : 作り手主体の発想

という2つのアプローチ法があります。

この2つは相反するものではなく、「新しいモノやサービスを生み出すならプロダクトアウトで発想し、マーケットイン的に顧客視点をしっかり持つ必要がある 」と私は考えています。

どちらが正しいと言うことではなく、イノベーションのタイプによって、また場面によって発想法の使い分けをしていけばよいのではないでしょうか。


あなたのビジネスの参考になれば嬉しいです。

企画推進に役立つ記事をメルマガとしてほぼウィークリーで発信しています。
ぜひ、こちらからご登録ください。
いつでも解除可能です。

一覧に戻る ≫

新着記事