「その企画、他社はもうやっているのか?」他社動向に対する社内戦略攻略法

2020.11.23

新規事業の立ち上げや新商品の開発では、その企画の承認者から「競合他社はやっているのか?」「 他社動向はどうなんだ?」などと問われることがあります。
その際、承認者には二つのタイプがあることをおさえて進めることが大切です。
承認者の二つのタイプとそれぞれに対しての説明のコツについてお伝えします。

「 他社はやってるのか? 」
「 他社動向はどうなんだ? 」
自分が進めている企画についてこれらの質問がきたとき、あなたはどのように説明していますか?

新規事業や新商品の企画会議では、ほぼ必ず他社動向について問われますが、承認者によってこの他社動向に対する考え方に二つのタイプがあることを理解しておくことが大切です。

企業によっては、最終承認者の前に上司や関係部署の事前確認など、数回の関門を越えなければならないことも少なくありません。

その場合でも全員が同じタイプであるとは限りません。
それぞれのタイプを見極めてうまく企画を説明していきましょう。

ここでは、他社動向に対する承認者の二つのタイプとその対応方法についてお伝えします。
ただし、あなたが自分の企画に自信を持っていることが前提です。

■他社動向に対する捉え方ー承認者のタイプ分け

新規事業や新商品の企画において、他社動向に対する捉え方は大きく二つのタイプに分けられます。

①開拓者タイプ:「他社がまだやっていないからやってみよう」
②慎重派タイプ:「他社がやっていないものは大丈夫か? 売れるのか? 市場はあるのか?」

どちらが正しいかは別として、プレゼンする相手がどちらのタイプかを見極めておかないと、期待と反対の答えをしてしまうことになります
企画を通すことを目的とすると重要なポイントです。

企画の承認者があなたと同じタイプの場合はスムーズに進むと思いますが、タイプが異なる場合に意見がかみ合わないことがよくあります。

企画マンは開拓者タイプであることが多いので、プレゼン相手が開拓者タイプであればよいですが、慎重派タイプの場合うまく説明する必要があります。
あなたの企画が会社のためになると信じているならば、安心させてうまく乗り切るのが正解です。

では、両者のタイプをそれぞれみていきましょう。

■①開拓者タイプ

このタイプは、新規事業の立ち上げ経験や、新商品開発でヒットモデルを自分で立ち上げた経験がある人に多く、新規性の高い企画には基本的にサポーティブです。

このタイプの承認者は他社がまだやっていなければ、
「他社がまだやっていないならやってみよう!」
という号令がかかります。

どれだけ新規性があるかが強く求められます。

多少リスクはあっても、どれだけ新しいか、どれだけ新規性が高いかをしっかり伝えましょう。
もちろん想定されるリスクはきちんと説明することは大切です。

またこのタイプからは自身の経験から必ずスピードが求められます。
他社がやってくる前に早くやれと言う指示が出ます。

私もかつて、
「 誰かが考えていることは100人考えてるんだ。半分のスケジュールでやれ!」
と言われたことがありました。

さすがに半分のスケジュールは無理ですと答えると、
「無理かどうかは聞いてない。早くやらないと他社に先を越されるぞ! 」
と言われました。

どうやって関係者にお願いしようかと困っていましたが、部門トップの指示となると関係者も必死でその策を考えてくれ、多少の遅れはありましたが、結果として半分に近いスケジュールでの導入となりました。

しかし、導入後まもなく他社の参入が続き、言われた通りだったことを痛感。
もし最初のスケジュールで進めていたらと血の気が引いた記憶があります。

私が記録メディアの商品企画担当で、日本メーカーで初めてオリジナルデザインのUSBメモリーを導入したときの話です。
海外製品はあったのですが、我々が企画を開始した直後に、海外製品にロゴをつけて輸入するメーカーが現れるなど、部門トップの懸念の通りでした。

我々は、オリジナルデザインでは日本初の導入で話題となりましたが、その後他社も続くなどスピードの重要性を思い知ることとなりました。

数年後、その部門トップに会う機会があり、その話をしたところ、
「 企画を聞いて危ないと思ったのと、できるのが分かっていたから言ったんだ。 でもまぁ、みんなよくやった!」
と言われ、さすがだなと思いました。

その後もこのタイプの承認者からは、もっと早くやれと言われることが多くありました。
そのようなときは、その場はやります と答えてしまいます。
それでトップの指示だからと関係者とやり方を必死で考えます。

どうしてもそのスケジュールが難しい場合は、その旨を素直に相談します。
必死で検討した上で相談することが条件になりますが、その場合は認めてくれたり、協力者を紹介してくれたり、前に進むはずです。

要求や指示は素直に聞き、協力をもらいながらどんどん相談して進めましょう。

■②慎重派タイプ

自身での企画立ち上げの経験があまりない人が上司や承認者の場合に多くみられます。

「他社がどこもやっていないのは大丈夫なのか 」
「本当に売れるのか 」
「市場はあるのか 」

売れるかどうか、ロジカルな説明が求められます。
可能性とリスクについてきちんと説明することは大切ですが、企画は新規性が高いほどやってみなければ分からないことも多くあります。

強者として、他社(弱者)をつぶす戦略の場合は、他社と同じことをするのが定石ですが、シェアが低い弱者の場合や新規参入の場合は、この心配が強くなりすぎるとスピードも遅くなり危険です。

自分の企画に自信があることが前提ですが、このタイプには安心してもらい、
「 わかった。 進めてみよう 」
というまず企画を進めることに対して承認をとることが重要です。

このタイプからは気づいてなかった重要なポイントが指摘されることもよくあります。
その場合はしっかり対応していくことも大切です。

もし、ただ判断が遅くなっていると感じる場合は、どこがポイントなのかを確認し、うまく進めましょう。
心配なことは当然で、安心してもらうことが必要ですが、安心とまでは行かなくとも、心配はなるべく取り除き、やってみようと言ってもらえるよう工夫しましょう。

コツは、他社がやっている部分を説明し安心してもらい、自社の違いや勝算について説明することです。

また、企画者自身はどうしても想いが強くなってしまい、いくら説明しても信用されない場合も少なくありません。
そのような場合は、客観的な判断材料を準備します。
あらかじめ準備できるようであればそれに越したことはありません。

〈客観的な判断材料の例〉
・市場データ、ニュースなど外部の情報を効果的に使う
・見込み顧客の声を伝える
・ユーザー調査などを提示する(この場合のユーザー調査は企画を通すことが目的)
・社内の第三者のサポートをもらう など

問題点や不安材料などを指摘された場合は、指摘はいったんすべて肯定し、そのうえで課題を解決していきましょう。

また、企画にOKが出ない場合、どこが課題なのかをきちんと押さえることが大切です。

・全体、企画そのものに課題があると言われている
・全体はOKだが部分的に課題があると言われている(総論賛成、各論課題あり)
・肯定しているが裏付けがほしい(心配なだけ)

課題をひとつひとつ解決し、進められるところはどんどん進めましょう。

■まとめ

新規事業や新商品開発の企画会議で他社動向を説明する際、その企画の確認者、承認者によって二つのタイプの考え方があることをお伝えしました。

確認者や承認者がどちらのタイプかをあらかじめ把握し、企画会議はタイプ別にあわせたポイントで説明することが大切です。
ただし、あなた自身が企画に対して自信を持っていることが前提です。

自信がある場合は、指摘のポイント、相手のタイプを見極めて企画を進めていきましょう。
企画は企画の内容自体ももちろん見られていますが、あなたに任せて大丈夫かも見られています。
”まかせてください” の精神も大切です。

また、良い意味で上司や承認者をうまくだますことも大切です。
上司はだませ」の記事も参照ください。

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