プロジェクトは楽しもう!企画現場経験者だからこそ言える「楽しむこと」の重要性

2020.12.05

新規事業開発や新商品開発の推進でもっとも大切なこと、それはプロジェクト自体を「楽しむ!」ことです。
新規性が高い企画の推進は、前例のない課題解決の連続です。
楽しんでやらないと途中で挫折してしまいます。
そんな企画を楽しく進めるコツをお伝えします。

まだ世の中にない、誰もやっていない新規事業や新商品を企画し推進していくことは、前例のない課題解決や分からないことばかりで困難の連続です。

多くの人に協力をお願いし、時にはボロクソに言われたり、笑われたりしながらも数々の課題を解決していく必要があります。

このような困難や解決すべき課題が次から次へと起こりうる企画の推進においてもっとも大切なことは何か。

それは企画の推進自体を ”楽しむ!” ことです。
楽しんでやらないと途中で挫折してしまいます。

私自身も企画推進は大変な記憶ばかりですが、今となってはそれが楽しかった思い出になっています。
大変だったプロジェクトほど、何年もたった今でもその頃のメンバーと
「あの時は本当に大変だったなぁ」
「協力お願いに行って、ボロクソに言われたなぁ」
など、懐かしく話しています。
私なりのプロジェクトを楽しむコツについてお伝えします。
どうせやるなら楽しんでやりましょう。

■ なぜプロジェクトを楽しむのか?

プロジェクト推進は、うまく進んでいる時はみんな協力してくれますが、うまく進んでいないときはすーっと波が引くように人がいなくなります。
新規性が高いほど、周りからバカにされたり、笑われたり、あるいは反対されたりするものです。

これらを乗り越えてプロジェクトを推進していかなければなりません。
楽しめないと、途中で心が折れてしまい、挫折してしまうこともあります。

いちいち気にしていては進められません。
ある意味、鈍感力も必要ですね。
大きな視点でプロジェクトをとらえ、細かい周囲の雑音は気にせず、企画の立ち上げを楽しみましょう。

まだ誰もやっていない新しいものを立ち上げることは、やりがいも満載、楽しいものです。
困難もありますが、それも含めて楽しみましょう。

■ プロジェクトが楽しいと思える4つの要素

では、何が楽しいのか?
人によっていろいろだと思いますが、私が楽しんできた要素を4つあげてみます。

①新しいものを立ち上げるのは何より楽しい

これは言葉そのままですね。
まだ世の中にない、まだ誰もやっていないものを立ち上げるのは何より楽しくやりがいあるものです。
誰にでもできるものではありません。
そういうプロジェクトをリードできる、あるいは参加しているあなたは幸せ者なはずです。

②形が出来上がっていくのが楽しい

ゼロから生み出した企画が進み、徐々に形になっていくのはワクワクしますよね。
より具体化するために、早い段階でイメージモックアップなどの形をつくりましょう。

モックで有名な話に、ウォークマンの父と呼ばれている大曽根幸三さん(元ソニー(株)副社長 )が作った大曽根木型というものがあります。

”「これでCDプレーヤーをやってみてくれ」と、ゼネラルオーディオ事業部長の大曽根幸三(おおそね こうぞう)は、13.4cm四方の正方形で厚さが約4cm、CDソフトのジャケット4枚分の厚さの木型(木片を加工したもの)を部下に示した。「中にバッタを入れようがセミを入れようが構わない。とにかく音が出るようにしてくれ」。大曽根の言葉に、居合わせた皆は思わず笑ってしまった。”

引用:https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-09.html

私も新商品の企画でこれを真似て大きさイメージだけの木型をつくり、プレゼンテーションで「こんなイメージです!」とそれを回覧すると、とてもイメージできるものではないのですが、関係者が「ほぅ!」とうなずいてくれたのを何度も経験しています。
このようなイメージモックをどんどん最終の形にブラッシュアップしていく、目に見える形で進化させていくのはとても楽しいものです。

③課題解決をひとつひとつ楽しむ

企画がどんどん形になっていくのは楽しいですが、当然その過程では数々の課題を解決していくことになります。

すんなりうまく行くことばかりではなく、うまく行かないこと、時には失敗することも多々あります。
失敗で終わってしまってはプロジェクトは進みません。
それを解決する別の策を必死で探していくことになります。

「プロセスは失敗ではない」と言う言葉があります。
プロジェクトが続く限り、失敗ではありません。

これらの過程、課題をひとつひとつ克服していくのは達成感があり楽しいものです。

④プロジェクトメンバー、協力してくれる人たちとの達成を楽しむ

プロジェクトは一人では達成できません。
プロジェクトメンバーや多くの関係者と協力して進めることになります。
そういった仲間といっしょに達成できることはとても楽しいものです。
苦労したことがよい思い出になったり、後々の話のネタとなります。

よいプロジェクトは苦労はあってもみんなポジティブで楽しい雰囲気があります。
私も苦労したプロジェクトメンバーとは何年たってもその頃のことで盛り上がります。
関係者といっしょに達成を楽しみましょう。
まわりをうまく巻き込んでいくのは、企画マンやリーダーの腕の見せ所ですね。

■ プロジェクトを楽しむ5つのコツ

とは言え、苦労の方が多いと言う方もいらっしゃると思います。
私なりのプロジェクトを楽しむためのコツを5つ挙げてみます。

①ミッション、目的を明確にする

プロジェクトの社会に貢献するミッション、目的やプロジェクトに対する想いを明確にし、明文化することで、そこに向かって推進することができ、小さいことにはこだわらなくなります。
コツはできる限りイメージを具体化させることです。
具体化できればできるほどそこに向かって邁進でき、すべての活動が楽しくなります。
ミッションの重要性についてはこちらの記事もご参照ください。

②タスクを小さく細分化する

目標達成の方法としてよく言われています。
できる限り小さいタスクに細分化し、小さな達成を積み上げていくのがコツです。
小さくても達成感を味わえると楽しくなります。
難易度の高いタスクほど細分化しましょう。

③とりあえずやってみる

なかなか取り掛かれないタスク、どこから手を付けてよいのか分からないタスクも多々あるはずです。
私も腰が上がらずリストに残ってしまうタスクは当然あります。
そのときは、エイヤでどこからかやってみるのがコツです。
やってみると何らかの様子が分かったり、具体的なタスクに落とし込めることがよくあります。
モヤモヤしていたタスクが片付いていくと楽しくなりますよ。
セルフコーチングで何が制約になっているかを自分に質問してみることも有効です。
その制約をひとつひとつのタスクに細分化し、解決していきましょう。
案外たいした制約がないことも多いです。

④高いハードルこそ楽しむ

新規性が高いと当然各タスクのハードルは高くなります。
低いハードルは誰でも超えられます。
高いハードルをどう乗り越えるかが企画マンやリーダーの腕の見せどころであり、新規事業立ち上げの醍醐味でもあります。
ハードルが高いタスクこそ楽しみましょう。

⑤成功を具体的にイメージする 

これが一番重要かもしれません。
プロジェクトが成功したシーンを具体的にイメージし、その時の気分を想像します。
具体的にイメージできると楽しくなるはずです。
独りではなくプロジェクトメンバーと行うとさらに具体化できます。
「予祝」という方法をご存じでしょうか?
プロジェクトなどの成功を具体的にイメージするだけでなく、前祝いまでしてしまうと言うものです。
「予祝」によってさらにイメージが具体化されます。
もう成功のお祝いまでしているのだから楽しいに決まっていますね。
私も現役時代に予祝を知っていたらどんなによかったかと思っています。
今はよく使っています。
ただ楽しいだけでなく、具体イメージが明確になればなるほど、そこに向かってどんどん進むので、とてもよいアプローチです。 ぜひお試しください。
予祝については、ひすいこたろうさんの著書が多数出版されていますが、リーダーの方にはこちらもオススメです。

「世界一ワクワクするリーダーの教科書」 大嶋啓介著 きづな出版

■ まとめ

新規事業開発や新商品開発の企画推進でもっとも大切なこととして、「楽しむ!」についてお伝えしました。

まだ世の中にない、まだ誰もやっていない新しいものを企画し、導入まで推進していくのは困難の連続ですが、それ自体を楽しまないと途中で挫折してしまいます。

困難や小さい失敗を楽しむ、そして成功に向かって、導入後の社会貢献に向かってワクワクしながらやることが最も大切です。
この気持ちさえあれば、困難は乗り越えられます。

あなたの企画やプロジェクトが楽しくなり、そして成功し、それが世の中に貢献するのを期待しています。

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