成功に導く 企画の進め方【その4】 仮説の検証ーPDCAを回して
2022.09.03
成功に導く企画の進め方【その3】では、仮説の構築ー企画構想のまとめかた についてお伝えしました。
ラフな形でも仮説がまとまったら、検証を進めていきます。
仮説の構築と検証は企画の最も重要なプロセスですが、両方を併行してどんどん進めることが企画を成功させるコツになります。
では、具体的に検証の手順を見ていきましょう。
目次
■ 企画の仮説はまずこの観点で検証する/ステップ1
検証はまずは以下の観点で進めていきます。
1.企画の意義、プロジェクトのミッション
2.ビジネスの可能性
3.実現可能性
4.致命的課題の有無
5.その他の課題確認と対策案
観点ごとに見ていきましょう。
1.企画の意義、プロジェクトのミッション
企画の意義やプロジェクトミッションが明確であればあるほど、内部に対しても外部に対しても強い企画となります。
社外に対してしっかりとしたミッション、理念が提案できそうかを確かめます。
2.ビジネスの可能性
仮説で粗く設定した売上プランとコストを確認していきます。
管理部門など専門の部署がある場合は、確認を依頼するか協力してもらい第三者の見解を入れることをお勧めします。
売上は期待できる売上(ベストシナリオ)とリスクを想定した売上(ワーストシナリオ)を試算しておきます。
コストは初期費用だけでなく、ランニングコスト、メンテナンスコストも想定します。
その他、期待できるオポチュニティ(ビジネス機会)と想定されるリスクも可能な範囲でピックアップします。
3.実現可能性
技術的な実現性、コスト、スケジュール、課題を確認します。
内部開発で、自社エンジニアや関係部署と外部委託や外部パートナーとの協業の場合はパートナーとの確認となります。
まだパートナーが決まっていない場合は候補を探しヒアリングします。
かかる費用については規模感だけでも確認しておきます。
複数社にコンタクトすると様子が分かります。
機密事項は気を付けて取り扱いましょう。
4.致命的課題の有無
致命的課題がないかどうか確認することは重要です。
解決できない致命的課題が見つかった場合は、軌道修正するか代案を検討します。
5.その他の課題と対策
その他解決すべき課題と対策を洗い出します。
これらが今後のTo Doとなっていきます。
多少難しいくらいの課題は逆に強みに変えていける可能性があるとも言えます。
しっかり確認、検討しましょう。
これらの観点を加味し、仮説で整理したまとめをブラッシュアップしていきます。
企画の推進はとにかく「仮説→検証→課題→仮説」 の繰り返しです。
高速でどんどん回していきましょう。
■ 企画の仮説をさらにこの観点で検証する/ステップ2
企画構想が進むにつれてまとめの粒度も上げていきます。
さらに、以下のような項目を追加していきます。
6.想定顧客(ペルソナ)のストーリー
7.商品・サービス開発への要求事項の整理
8.法的項目の確認
9.特許の確認
10.商物流・販売ルート
11.社内外の体制
12.想定されるリスク
13.中期構想
14.撤退リスクの確認
こちらも1つずつ見ていきます。
6.想定顧客(ペルソナ)のストーリー
代表となる想定顧客(ペルソナ)を設定し、シミュレーションしていきます。
いろいろ課題が見えてきますので、整理していきます。
できる限り細かく緻密なシミュレーションを行い、ストーリーとして整理するのがコツです。
顧客になった想定でも整理します。
ペルソナの設定方法はいろいろな情報がネットにありますので参考にしてください。
7.商品・サービス開発への要求事項の整理
商品やサービス、アプリケーションなどの開発への要求事項を整理します。
開発チームや外部委託先への見積もり依頼にも必要となるので、まずはそのレベルでまとめていきます。
プロトタイプもブラッシュアップしていきます。
8.法的項目の確認
ビジネスによっては法的規制などが絡んできます。
どのような法的規制があるのかを確認します。
外部パートナーとはNDA(秘密保持契約)やどのような契約が必要になるかも洗い出しておきます。
9.特許の確認
抵触しそうな外部特許がないかについてもこの時期に粗くでも確認しておくことをお勧めします。
また、自社で特許を取得できそうなネタがある場合は可能性を検討します。
弁理士など専門家の協力も仰ぎましょう。
10.商物流・販売ルート
商品がある場合は物流、サプライチェーンを整理します。
販売ルート、商流も整理します。
11.社内外の体制
社内外の関係者も増えてきますので、体制を明確にしていきます。
体制図をかき、役割と責任を明確にしていきます。
12.想定されるリスク
将来想定できるリスクを可能な範囲洗出します。
対策案もざっくりでもよいので記しておきます。
13.中期構想
導入までのスケジュールだけでなく、ラフで構わないので、3~5年を想定したビジネスプランを整理しておくことが重要です。
また、2号機やサービスのバージョンアップをいつ頃どのようにしていくのかなど中期的な構想を整理します。
14.撤退リスクの確認
ある程度企画が進んでくると課題も見え始めたり、テスト導入なども計画されてくると思います。
企画がそのままズルズルいかないように、リスクを考慮した撤退プランも整理しておきます。
テスト導入や販売を開始してしまうと簡単に撤退できなくなる場合があります。
撤退しやすく撤退コストもそれほどかからない場合は、その時点までは安心して進めることができます。
一方、撤退しにくい場合や撤退するのに膨大なコストがかかる恐れがある場合は、慎重に進める必要があります。
企画段階で撤退のことを考えるの?という声も聞こえてきそうですが、判断者からすると重要なポイントです。
■ まとめ
成功に導く企画の進め方【その3】「仮説の構築」とともに企画の中で最も重要なプロセスである「仮説の検証」についてお伝えしました。
アイデア(仮説)をたてたらそれを検証し、また仮説をたて検証を繰り返していきます。
どんどん出てくる課題をつぶしながら企画を研ぎ澄ませていきます。
このプロセスをいかに高速でまわせるかが、確実な企画になるかどうかを左右します。
では次回は企画の導入計画についてお伝えします。
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