リソース(自社の技術や強み)は新規事業開発成功へのカギ

2024.09.12


新規事業開発を進めるにあたっては、自社のリソース(技術や強み)をきちんと把握し、
それをアピールできることが非常に重要であり、新規事業の成功のカギとなります。
この記事では、リソースフルであることの重要性と自社のリソースの見つけ方についてお伝えします。

■ 自社の技術や強みはなにか?

新規事業開発やプロジェクトの伴走支援をさせていただく際に、
私はよく
「御社の技術や強みは何でしょうか?」
とお尋ねします。

するとこんな答えが返ってくることがしばしばあります。

「それが無いから困ってるんです」
「顧客から指示されたものを作っているので、これといった強みはありません」

伴走支援では、まずその企業様の技術や強みを一緒に探していくのですが、
自社の技術や強みが果たしてあるのかと弱気になられる担当者も少なくありません。

企業が存続しているということは
顧客や市場に価値を提供していることを意味します。


企業が価値を提供しているということは
そこに必ずその企業の ”資源” が存在するはずです。


まずは自社の資源は何か見つけることが成功への糸口になります。


■ リソースとは

コーチングの世界ではこのような
自分の持っている資源のことを “リソース” と言います。

便利な言葉なので私もこの “リソース” という言葉をよく使います。

企業も同様です。
自社に必ず何らかの資源を持っているはずです。


新規事業をこれから進めていくには、
この自社のリソースを見つけていく必要があります。


そして新規事業を進める際、企業は
自社のリソースをきちんと把握しその力を信じている状態 ー ”リソースフルな状態”ー
であることが大変重要です。

■ リソースフルであることの重要性


ではなぜ新規事業開発では、リソースフルな状態でなければいけないのか?

そこには次の2つの目的があります。

(1)差別化や特徴をつくるため
(2)パートナー開拓のため


詳しく見ていきましょう。

(1)差別化や特徴をつくるため

これは言うまでもないことですが、
競合がひしめく中で商品やサービスを展開していくには
他との差別化が必要ですし、分かりやすい特徴をつくっていくことが必須です。

差別化のため、また独自の特徴をつくっていくためにも
自社のリソース(技術・強み)を見つけていかなければなりません。

(2)パートナー開拓のため

こちらは案外見落とされがちです。

新規事業開発では、見込み顧客を含めたパートナー開拓が必須です。

新規事業を自社だけでは立ち上げられない場合は多々ありますが、
そういった場合はパートナーを開拓していくことになります。

また、仮説検証しながら立ち上げていくために
見込み顧客にモニターになっていただき、
パートナーとしていっしょに立ち上げていくこともあります。

このようにパートナー開拓しなければならない状況では
自社の技術や強みを語っていくことがとても重要になります。


自分がパートナーの立場になってみるとわかるでしょう。

相手から
「いっしょに事業を立ち上げてほしい」
「モニターになってほしい」
とアプローチされたとして

その企業の担当者が
自社の技術や強みがよくわからない
あるいは
自分たちの技術や強みを信じていない(リソースフルでない状態)
だとしたらどうでしょうか?

パートナーとして共に仕事をしたいと思えるのは
担当者がしっかり自社の技術や強みを本気で語れる相手です。


パートナー候補がリソースフルであることが判断基準になるのではないでしょうか。


また、これはパートナーだけではなく、社内の関係部署の巻き込み決裁プレゼンでも
同様のことが言えます。

■ リソースの見つけ方 4つの方法

次に、実際にどうやってリソースを見つけたらよいのか、
具体的なリソースの見つけ方として、以下の4つの方法をご紹介します。

1. ブレインストーミング

チームや関係者を集めてブレインストーミングを行います。

自分が価値もないと思っていたことを
他者がリソースであると価値を見いだしてくれることもあります。

他の人の発言やアイデアから新しい発見があるかもしれません。

重要なのは、どんなに小さなことでもアイデアを絞り出すことです。
アイデア出しに至る以前のリソースを見つけるためのアプローチ方法でも構いません。

ブレインストーミングで何かが発見できるはずです。

2. 競合や他社との比較

競合や同業他社と比較することで、自社にしかない強みを発見できることがあります。

たとえば
・専業である
反対に
・多角的に事業を展開している

このことを特徴として活かすことも可能です。

自社が劣っている部分も逆手に取って特徴にする方法を考えてみましょう。

3. 顧客やパートナーに聞いてみる

顧客やサプライヤーなどのパートナー、お付き合いのある人物や企業に
自社の強みや特徴を尋ねてみてください。

他者視点での強みが発見されることが多いです。
自分では気づかないリソースを見つけることができるかもしれません。

4. 将来の技術や強みを定義する

新規事業開発における技術や強みは、今現在のものでなくても構いません。

将来のビジョンや目指す方向性を明確にすることで、共感を得ることができます。

「私たちはこういうところに向かって進んでいます」
「私たちはこうなりたいんです」
と語っていきましょう。

大企業でもベンチャー企業でも
ビジョンを持つことが新規事業開発には必須です。

■ リソースの見つけ方あれこれ


その他いろいろなリソースの見つけ方があります。
以下ご紹介する方法も有効ですので試してみて下さい。

・自社のホームページをチェックしてみる
自社のホームページはマーケティングや広報の方が何かしらのアピールをしているはずです。
パートナー開拓のストーリーに使えるものがあるかもしれません。

・AIを活用する
自社の情報がネットに公開されている場合、AIに尋ねるのも一つの手です。
その内容を基にブラッシュアップし、外部に語れるストーリーを作りましょう。

・どんどん語ってみる
社内外で自社のリソースについて話してみることで、新たな気づきが得られることがあります。

これは「オートクライン効果」と呼ばれます。

言語化する(実際に話してみる)ことで新たな気づきが生まれますし、
相手からの質問やフィードバックで新たな発見につながることがあります。


いかがでしたでしょうか?
自社のリソースは必ずあります。
様々な方法を使って、ぜひ見つけてください。

■ 欧米的なアプローチで

よく人にプレゼントを渡す際に
日本人は「つまらないものですが」が決まり文句ですが
欧米では「これはこんなに良いものだよ!」と言いますよね。

新規事業開発でパートナーを開拓する際には、
この欧米的なアプローチが有効です。

「私たちは、xxな強みを持っていて、これからxxな世界を創っていきたいと思っています。
いっしょに進めていただけるパートナーを探しています。」
と語っていきましょう。



■ まとめ

企業が存続しているということは顧客や市場に価値を提供していることを意味します。
そして、自社が価値を提供しているということは、そこに必ずリソースが存在します。

新規事業を進める際、
企業は自社のリソースをきちんと把握しその力を信じている状態 ー ”リソースフルな状態”ー
であることが大変重要です。
新規事業開発では、リソースフルな状態であることが成功のカギとなってくるからです。
それはリソースフルな状態であることによって
(1)差別化や特徴をつくるため
(2)パートナー開拓のため

という2つの目的が達成されるためです。

自社のリソースを見つける方法はブレインストーミングや競合や他社と比較する方法など
多々ありますが、ぜひ、自社のリソースを見つけてください。

まずは、自社にリソースが必ずあると信じましょう。
そしてそれを心から信じている状態“リソースフル”を意識してプロジェクトを進めてください。


皆様の新規事業開発やプロジェクトが成功することをお祈りしています。

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