成功に導く 企画の進め方【その5】 企画の導入計画の進め方
2022.09.06
企画の進め方について、これまで、仮説の構築、仮説の検証についてお伝えしてきました。
今回は、企業での企画の進め方として企画の最終段階である具体的な「導入計画」についてお伝えします。
不明点やご質問があればできる限りお答えしますので、遠慮なくお問合せください。
目次
■ 導入計画の流れ
企画の導入計画とは、企画が承認されてから、市場での販売までの計画を指します。
企画をGOするかーすなわち、費用をかけ、体制をつくって企画を進めるかーの決定を承認者と確認してください。
企画がほぼ固まるか、あるいは企画構想が承認されたら、導入計画のレベルまで掘り下げます。
「仮説の検証」で整理した項目に加えて、少し細かくなりますが以下のような項目を整理していきます。
ご自身の企画によって不要な項目がある場合は無視していただいて大丈夫です。
1.開発、設計計画
2.非機能要求の整理
3.付属品(取扱説明書)アクセサリーなど
4.安全規格・品質保証計画
5.特許
6.ネーミング/商標意匠・本体デザイン・パッケージデザイン
7.コンプライアンス(環境、個人情報)など
8.他社ライセンス
9.生産計画、サービス運用計画
10.販促/PR戦略・販売戦略・サンプル計画
11.顧客サービス計画・アフターサポート計画
12.中期戦略(ライフサイクル・次世代の構想)
13.導入までのスケジュール・マイルストーンの定義
14.KGI、KPIの設定
15.その他企画によって必要な項目の洗い出し
以上の項目に沿って導入計画を立てていきます。
■ 導入計画のポイント
では、次にそれぞれのポイントに絞って具体的にお伝えします。
1.開発、設計計画
内部エンジニアあるいは外部委託先エンジニアと、見積もり、スケジュール、推進ステップをまとめます。
技術課題も明確にしていきます。
2.非機能要求の整理
見た目や機能以外の品質、パフォーマンスなどの非機能要求がある場合はまとめます。
通常はエンジニアとの共同作業になります。
3.付属品(取扱説明書)、アクセサリーなど
付属品として必要なものを洗い出します。
コストや準備スケジュールにも影響します。
4.安全規格・品質保証計画
安全規格や品質についてのポリシーや取り決めが必要な場合は整理します。
内部エンジニアと推進する場合はエンジニア業務の場合もあります。
輸出予定がある場合は各国の法律チェックが必要となります。
専門家の協力を仰ぎましょう。
5.特許
企画構想で調査した内容の精度を上げます。
特許については企画や対象となる技術が他社の先行特許に抵触しないかを確認します。
あわせてその企画から特許出願できそうな案件があれば検討を進めます。
専門家とも相談、確認をしておくことをお勧めします。
6.ネーミング/商標意匠・本体デザイン・パッケージデザイン
企画が進んでからの場合もありますが、ネーミング、本体のデザイン、パッケージのデザイン、アプリケーションの場合はGUIデザインを進めます。
ネーミングの商標、デザインの意匠の調査や登録も計画します。
7.コンプライアンス(環境、個人情報)など
環境、個人情報など関係するコンプライアンス事項を洗い出しておきます。
8.他社ライセンス
他社ライセンスを使う必要がある場合は見積もり、契約などの準備を進めます。
9.生産計画、サービス運用計画
商品の場合は生産数、スケジュールなど生産計画をまとめます。
サービスやアプリケーションの場合は、運用に関しての計画をまとめます。
10.販促/PR戦略・販売戦略・サンプル計画
どのように販売促進していくか、プロモーションしていくか、またどのように販売していくかについてまとめます。
販売チャネルの構築が新たに必要な場合は構築プランをまとめます。
プロモーションやテスト販売に必要なサンプルの数をまとめます。
アプリケーションの場合も無料利用などプロモーション計画を整理します。
マーケティング部門や営業部門がある場合は共同で進めます。
11.顧客サービス計画・アフターサポート計画
修理や定常的な顧客サポートをどのように行うかを計画します。
システムの場合はシステムインテグレーターやパートナーへのサポート計画も重要です。
サポート部門や営業部門ともすり合わせしておきます。
12.中期戦略(ライフサイクル・次世代の構想)
ライフサイクルの計画、次世代の構想や方針など、そのモデルやサービスだけでなく、中期的な戦略をラフでよいので整理しておきます。
メンテナンスコストが発生する場合も試算しておきます。
新規事業の場合は既存事業との関係やシナジーも整理しておきます。
13.導入までのスケジュール・マイルストーンの定義
導入までのスケジュールとマイルストーン(判断ポイントなど)を定義し、それまでの進捗を整理しておきます。
スケジュールはそれぞれのタスクがどのように関係しているのかも分かるようにします。
14.KGI、KPIの設定
テスト導入や本導入後のKGI(Key Goal Indicator / 重要目標達成指標)、KPI(Key Performance Indicator / 重要業績評価指標)を設定します。
15.その他企画によって必要な項目の洗い出し
企画に関係する項目を確認し、洗い出しておきます。
以上が導入計画のポイントになります。
もしこの言葉はよく意味がわからない、といったものがあれば、お気軽にご連絡ください。説明させていただきます。
■ まとめ
ここまで企業における新商品や新規事業のゼロからの企画の進め方を、複数回にわたってお伝えしました。
いろいろな種類やレベルの企画がありますが、導入までの計画としてはプロセスを概ね網羅できているはずです。
細部にこだわりすぎるのではなく、企画構想として全体をまとめながらブラッシュアップしていくことが、早く、さらに確実な企画へまとめていくコツです。まずは仮説、そして検証を繰り返しましょう。
求められる成果と自分のこだわり、質とスピードのバランスが重要です。
企業方針や環境によっても変わってきますので、柔軟に進めましょう。
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