伝わったことが伝えたこと!企画リーダーが正しく伝える、正しく伝えてもらうコツ

2020.11.18

ビジネスでは「伝わったことが伝えたこと」を意識するだけで、コミュニケーションが格段に改善し、仕事の効率があがります。

相手に「正しく伝える」コツ、相手から「正しく伝えてもらう」ためのコツについてお伝えします。

私はサラリーマン時代、ずっと企画マンとして仕事をしてきたことから
企画部門やプロジェクト部門寄りの話になりますが、
コミュニケーションの上達は企画やプロジェクト部門に限らず、
ビジネス全般に重要であり、コツを会得すれば非常に役立ちます。

ここでは、ビジネスのコミュニケーションにおいて
「正しく伝える」
「正しく伝えてもらう」
ためのコツについてお伝えします。

■ 「伝わったことが伝えたこと」を意識したきっかけ

サラリーマン時代、当時の上司からの指示を私が勘違いしていたことがありました。

「申し訳ありません」と謝ったところ、

「『 伝わったことが伝えたこと 』だから、伝えた俺の責任だよ。」

と言われました。

この言葉にハッとさせられ、それからはこの
「伝わったことが伝えたこと」
を常に意識するようになりました。

それからは、注意深く、あいまいな表現や誤解を与える言葉を避けるようになりました。
するとコミュニケーションが改善、仕事の効率が格段に上がったのです。

さらに、コミュニケーションにトラブルがあったときも、責任は伝えた方にあると思えば、
自分がどちらの立場であったとしても、気持ちがとても楽になります。

企画部門やプロジェクト部門に関して言えば、企画リーダーやプロジェクトリーダーは、社内外のさまざまな関係者の協力を取り付け、動いてもらう必要があります。
相手に気持ちよく動いてもらうには、一回で正しく伝える、逆に正しく伝えてもらうことが大切です。

■ 「伝わったことが伝えたこと」を意識することによる効果

” 正しく伝える ” って難しいですよね。

「しっかり伝えたつもりが、まったく伝わっていなかった」と言うことはよくあるでしょう。
逆に、自分が受ける立場で言われた通りやったつもりなのに、
「なんで言った通りやってないんだ !!」 なんてこともあるはずです。

何が悪いのでしょうか?
受け手の理解力でしょうか?

受け手に一方的に「正しく理解する」ことを求めるのは無理ですよね。
やはり、責任は伝える側にあります。

人に伝えるとき、人から伝えてもらうとき、
「伝わったことが伝えたこと」
を意識するだけで ” 伝わり方 ” が変わります。

さまざまな効果があると思いますが、私の経験から主な効果を5つあげたいと思います。

● 正しく伝わるようになる
メールでの連絡、口頭での依頼のときは、
「伝わったことが伝えたこと」
を意識するだけで伝わり方が変わり、受け取る側の誤解や理解違いが格段に減ります。

誤解や理解違いが減ると、やり直しや手戻りもなくなり、仕事の効率があがります。

● 正しく伝わらなかったときの気持ちが楽になる
注意したつもりでもうまく伝わっていなかったとき、
「丁寧に説明しているのに、なんで分かってくれないの??」
と頭にくることもありますよね。

そんなときも、
「伝わったことが伝えたこと」
だから、自分に責任があるのだと思うようにすると、それだけで気持ちがおさまるはずです。

● 正しく伝えてもらえるようになる
自分が受け手で伝えてもらう時も、
「伝わったことが伝えたこと」
を意識していると、正しく理解しよう、正しく伝えてもらおうという努力をします。
何も意識していないときとは明らかに違うことが実感できるはずです。

● 正しく理解できなかったときの気持ちが楽になる
たとえば、上司から聞いた通りにやったつもりでも、
「なんで言ったとおりにやってないんだ??」
と言われることもあると思います。
そんなときは、こちらは言われた通りにやったつもりでも、自分に非があるように思うこともありますよね?

さすがに「伝えた方の責任ですよ」とは言えませんが、
「伝えた方の責任だよな。。。次は正しく伝えてもらおう!」
という気持ちで、再度お願いすることで気分も楽になるはずです。

● プロジェクトの雰囲気がよくなる
コミュニケーションのトラブルは、自分だけではなく当然プロジェクトメンバー同士にも起こることです。

企画をリードしていると関係者どうしの理解違いや、言った言わないのトラブルは日常茶飯事。
トラブルをどのようにうまく回すかもリーダーの腕の見せどころです。

たいていの場合、うまく伝わっていないと受け手側が責められることが多いのではと思います。
そんなときにリーダーが、
「『伝わったことが伝えたこと』とも言うので、もう一度正しく伝わるように説明していただけますか?」
というように場を和ませながら言うことで、プロジェクトもうまく回るようになります。

さらに、プロジェクト関係者がこの言葉を意識してくれるようになると、プロジェクト全体のコミュニケーションがよくなり、それにより雰囲気もよくなります。
プロジェクトの雰囲気がよくなると、効率が上がります。
プロジェクトメンバーの口癖になるくらいにしていきましょう。

■ 「正しく伝える」ためのコツ

「伝わったことが伝えること」
を意識するだけでもかなり正しく伝わるようになりますが、さらに正しく伝えるためのコツをお伝えします。

「伝わったことが伝えること」
を意識していると自然と身についてくることでもあります。

● あいまいな指示語は使わない
メールなどの文章でも、口頭で説明するときも、「あれ」「これ」「それ」などの指示語は、その指示語が示すものが明確な場合以外は使うのを避け、対象をそのまま記した方が安全です。
文章的におかしくなる場合は、「その○○に」「この○○を」のように対象も記した方が誤解を招きません。

文章が少し変になっても、話が多少くどくなっても、正しく伝えることが目的です。
正しく伝えるためには目的を優先しましょう。

● 行間を読んでもらうような表現は避ける
書いていない、言っていない行間を読んでもらうような表現も避けましょう。 
自分はよく分かっていても、相手が同じレベルで理解してくれているとは限りません。
きちんと伝わるように推測させるような表現になっていないかを確認しながら進めましょう。

● 相手の立場で読んでみる、考えてみる
文章を書いた後は、読む相手になりきって読んでみましょう。
相手になりきって読むことで、正しく伝わっているかどうかを確認できます。

口頭で伝えた場合は事後でもよいので、その会話を思い出し、相手になりきってきちんと理解できるかイメージしてみましょう。

● 文章は誰かにチェックしてもらう
相手になりきって自分でチェックすることである程度の確認ができますが、やはり自己チェックには限界があります。

重要な文章は送る前に必ず誰かにチェックしてもらいましょう。
可能であれば受け手と近いレベルの理解をしている人や近い年代、立場の人が望ましいです。

● 正しく理解してもらえたかを確認する
相手に正しく伝わっているかを、その場で確認するのはとても有効です。

「きちんと伝わっているか、念のため確認させてください」
と、相手から理解内容を聞くことで、正しく理解されているかを確実に確認できます。

伝わっていなかったときは、当然伝えた自分の責任です。

● タスクは期限までの途中で確認を入れる
期限のあるタスクの場合は、依頼内容を正しく理解してもらったことを確認していたとしても、時間がたつといつのまにか理解が変わっていることもあります。

重要なタスクの場合は、途中で進捗を確認しながら進めるようにしましょう。

■ 「正しく伝えてもらう」ためのコツ

では、自分が受ける立場で、相手から「正しく伝えてもらう」にはどうすればよいでしょうか?

「正しく伝える」の逆をイメージして確認するとよいでしょう。
具体的に見ていきましょう。

● あいまいな指示語は確認する
「あれ」「これ」「それ」などの指示語の対象が不明確な場合は、きちんと確認しましょう。
けっこう理解違いがあるはずです。

くどい、細かいと思われても構いません。
正しく理解しているか確認することは大切です。

● 書かれていないことは確認する
おそらくこうだろう、、、と行間を想像して進め、後から確認したら理解が違っていたという経験はありませんか?

書かれていないことを想像で進めることは危険です。
必ず正しく確認しましょう。

● 正しく理解できているかを確認する
メールでも口頭でも、自分が理解したことや依頼されたことをその場で確認するようにしましょう。

口頭の場合は後でその内容をメールなど文章で確認しておくことで、お互いの正しい理解が共有できます。

「私は○○と理解しましたが、あっているでしょうか?」
「最後に依頼された内容を念のため確認させてください」
というように、何かを依頼されたときは特に理解内容を共有しておきましょう。

● タスクは期限までの途中で確認する
タスクを依頼された場合は、期限前の途中で、ここまでの方向が正しいかと、その後の進め方について確認するようにしてください。

時間がたつことで、状況が変わっていることもあります。
そのときは正しく理解していても、進めていくと細部が異なっていることもよくあります。

ラフな段階から要所要所で方向性が間違っていないかを確認しながら進めましょう。

■ まとめ

企画やプロジェクトを推進する上でのコミュニケーションで大切なこと、
「伝わったことが、伝えたこと」
を意識することについてお伝えしました。

「伝わったことが、伝えたこと」
を常に意識することで、関係者とのコミュニケーションがスムーズになり、仕事の効率が格段にあがります。
理解違いによるやり直しや手戻りを少なくすることは、プロジェクトのスピードと工数・コストの削減につながります。

なによりプロジェクトの雰囲気がよくなり、プロジェクト自体が強くなっていきます。

すべてはコミュニケーション。
「伝わったことが伝えたこと」
を意識していきましょう。

あなたのプロジェクトがスムーズに進み、成功することを期待しています。

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