コラム

企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー!【前編】10%のクリエイティビティ(創造性)

2020.12.19

企画

企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー!【前編】10%のクリエイティビティ(創造性)

新規事業開発、商品企画など企画マンの心得についてお伝えします。
”企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー!”
商品企画、事業企画はアイデアを生み出すクリエイティビティ(創造性)と、そのアイデアを数々の困難やハードルを乗り越えて推進し、導入まで進めるパワー(企画推進力)が必要です。

目次

企画は10%のクリエイティビティ(創造性)と90%のパワー(企画推進力)!

私が某家電メーカーの商品企画チームに入った当初、何をやったらいいのかさっぱり分からずいろいろなアドバイスを聞いて回っていた時に、他企画部門の先輩におしえてもらった言葉です。
今となっては先輩が他から聞いた言葉なのか、はたまたこの先輩自身の言葉なのかも不明なのですが、この言葉だけはその後もずっと覚えており、その後の企画マン人生の指針のひとつにもなっています。

企画を成功させるにはクリエイティビティ(創造性)が10%、残りの90%はパワー(企画推進力)が重要。
企画とは斬新なアイデアを出すのが最も重要なのだと思い込んでいた私にはとても新鮮でした。
エジソンの「天才は1%のひらめきと99%の努力」という言葉にも似ていますね。

私は商品企画に始まり、新規事業開発、サービス企画、コンスーマーから業務用システムソリューションまで非常に幅広い企画、立上げを経験しました。
そんな様々な経験をした上で、本当にこの言葉
”企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー!”は言い得ていると感じています。

企画という仕事は "アイデアを出せる人"、"アイデアを出すことが好きな人" でないとさすがに務まらないだろうとは思います。
アイデアマンかどうかは別にして、私もアイデアを考えるのが大好きです。

アイデアマンはたくさんいますが、一方で、そのアイデアを企業の中で数々の壁、ハードルを乗り越えて導入までリードしていける人は限られているのではないでしょうか?

企画マンは、リーダーであれ担当者であれ関係する人を説得し仲間に引き入れていく必要があり、最終的には経営者や上位マネジメントの承認を得て、商品やサービスの導入へとリードする推進力 ”パワー” が必須です。

企画における「10%のクリエイティビティと90%のパワー」の重要性について、私の考えになりますが、
【前編】10%のクリエイティビティ(創造性)編
【後編】90%のパワー(企画推進力)編
に分けてお伝えしたいと思います。

新規事業開発、商品開発のリーダー、担当者の方々の参考になればうれしいです。

■ 10%のクリエイティビティ

ソニー創業者の井深大さんが言われた言葉に、「1、10、100 の法則」 というものがあります。
ソニー中村研究所をつくられた中村末広さん(元ソニー副社長)もこう言われています。

”「キーテクノロジーを見つけるために必要なエネルギーが一とするならば、実際に商品を製造してゆく過程で必要とされるエネルギーはその10倍、消費者に商品を買ってもらうためのマーケティングにおいては100倍のエネルギーが求められる。」
(引用元: 中村末広著 「ソニー中村研究所 経営は1・10・100」日本経済新聞社)”


企画という仕事をその商品やサービス、事業の導入までと定義すると、アイデアを生み出すクリエイティビティが10%となります。
90%のパワーの方が数字的にはより重要にも見えますが、この10%のクリエイティビティがなければ何も生まれない、何も始まりません。

また、クリエイティビティが無ければ、仮に商品やサービスが生まれたとしても魅力的なもの、つまり売れるものにならないため、クリエイティビティはやはり最も重要な要素です。
ただ、単に初期のアイデアが発想できればよいかというとそれだけではありません。

では、クリエイティビティとは具体的に何なのでしょうか。
私の視点になりますが、企業の企画に求められるクリエイティビティについて、ざっと挙げると次のようになります。

①すばやく仮説を立てるクリエイティビティ
②顧客に響くアイデアを生むクリエイティビティ
③自社の強み、差別化を発見するクリエイティビティ
④アイデアが実現できないときに次のアイデアを絞り出すクリエイティビティ
⑤宣伝広告、販売促進でのクリエイティビティ


プロジェクトによって重要度や進め方が異なったり、人によっては「そうではないよ、もっと重要なものがあるだろう」などといろいろな見解があると思います。
その場合はぜひご意見を頂けるとうれしいです。

詳しく見ていきましょう。

■ 求められる多様なクリエイティビティ

①すばやく仮説を立てるというクリエイティビティ

企画には目標スケジュールがあり、スピードは非常に重要です。
ここでいかにすばやく仮説を立てていけるかがポイントになってきます。
企画が順調に進むにしても、うまく進まず見直すことになるとしても、早いに越したことはありません。

既存カテゴリーの後継機種の企画から全くの新規事業開発まで、いろいろなレベルの企画がありますが、企業の場合多くは何かしら与えられるテーマや条件があり、それを実現していくことになります。
企画の最初の段階では、それら与えられたテーマに対して方向性や仮説を見つけることが重要です。

最初のクリエイティビティが求められるところです。
仮説の素性がよいとその後のプロジェクトがうまく進みます。
逆に仮説の素性があまりよくないとプロジェクトがぶれてしまったり、その後の課題が増えることになります。

素性がよいかどうかはこの段階では分からないことが多いため、素性がよさそうなものをピックアップし、進めながら確認し、軌道修正していくことになります。

②顧客に響くアイデアを生むクリエイティビティ

想定顧客視点での新しいアイデア、想定顧客がまだ気づいていないがあったらいいなと思うもの、あるいは顧客が本当に困っていること、などを発見するクリエイティビティです。

顧客に響くアイデアの“種”をここで見つけ出します。
“種”と書いたのには理由があります。
時間をかけてすばらしいアイデアが出ればよいですが、なかなかそうはいきません。
まずは検討を進めながら、形を変えても構わない、全く違うアイデアに変わっても構わないくらいの気持ちで、種を見つけていきます。

その種をもとに、仮説と周辺情報のリサーチに基づき、ヒアリングや調査を進めて、より顧客に響くアイデアに研ぎ澄ましていくことになります。

③自社の強み、差別化を発見するクリエイティビティ

顧客視点のためには、マーケットインから入る必要があるとよく言われますが、私の経験ではマーケットインとプロダクトアウト双方からのアプローチが大切です。

顧客がまだ気づいていないメリットや課題に、差別化できる自社の強みをうまくあてはめていきます。
そこを見つけるのが企画マンの仕事であり、腕の見せ所です。
したがって、②と③は並行して行うか、プロジェクトによって進めやすいやり方で構いません。
どちらかが欠けても強い商品、サービスにはならないでしょう。
この自社の強みや差別化、いわゆる参入障壁が高ければ高いほど、強い企画となります。

顧客視点からのアイデアだけではすばらしいアイデアもインパクトに欠けてしまうことがあります。
またすばらしいアイデアであればあるほど他社が真似してくるため、参入障壁をつくっておくことが大切です。

現時点での自社の強みがうまく見つからない場合、あるいは実現するのにハードルが高い場合は、先行することによってそれ自体を強みにしていくこともできます。

いずれにしても、自社の差別化ポイントをこの段階で見つけておく必要があります。
顧客や関係するステークホルダーにも自社の特長や勝てるポイントを説明する必要があります。
クリエイティビティが問われる場面です。

④アイデアが実現できないときに次のアイデアを絞り出すクリエイティビティ

顧客の琴線に触れ、自社の強みが活かせる仮説をたてることができると、いよいよ実現に向けて検証していくことなります。
素性がよい仮説でも、そのまますんなり企画が進むことはまずありません。
アイデアが実現できないことが分かったり、すでに類似商品、サービスが世の中にあるのが見つかったりした場合に、それを解決するアイデアを絞りだす必要があります。
これまではどんどん前に向いて進んできたと思いますが、これはいわゆるハードル、壁であり、それを突破するパワーとクリエイティビティが必要です。

さらに問題、課題が大小問わず何度も降りかかってくるので、どんどん解決していく必要があります。
プロジェクトのスピードに関わってきます。

新しい企画であればあるほどトラブルはつきものです。
多方面のアドバイスは得るものの、最終的には担当する企画マンだけが解決していけるものだと思います。
地味ですが、腕の見せ所です。
クリエイティビティさが問われるところです。

⑤宣伝広告、販売促進でのクリエイティビティ

もう一つ重要なクリエイティビティの要素があります。

企画が進み、いよいよ導入が見えてくると、どのように導入するか、どのように訴求していくのか、広告宣伝部署やマーケティング部署といっしょに進めることになります。

ここでも商品やサービスを一番よく知っている企画マンがコンセプトがぶれないように、リードしていく必要があります。
企画の早い段階で宣伝コピー、カタログイメージをつくれているものは素性がよいとよく言われます。
逆にここで苦労する場合は、企画の素性がよくないのかもしれません。

差別化ポイントをうまく訴求しながら、顧客の琴線に触れる訴求をつくっていく非常に重要なステージです。
広告宣伝業界自体がクリエイターとも言われるほど、クリエイティビティが問われる場面です。
マーケティングや広告宣伝の部署が無い場合は、企画マンがすべてを進めることになりますが、マーケティングや広告宣伝部があったとしてもすべてを任せず、必ず企画が協力し、リードして進めてください。

■ まとめ

”企画は10%のクリエイティビティと90%のパワー!”の10%のクリエイティビティについて私の経験からお伝えしました。

企業の企画現場では、初期のアイデア発想だけでなく、いろいろな場面でクリエイティビティを発揮する場面が現れます。
いかによいアイデアをタイムリーに出せるかが企画の腕の見せ所です。
1%のクリエイティビティではなく、10%がしっくりくるとしているのもこのためだろうと思います。
クリエイティブなアイデアを発想できるか、各ステージでクリエイティビティを発揮しながら推進していけるか、企画マンに不可欠な能力、スキルです。
【後編】では90%のパワー(企画推進力)についてお伝えします。

皆さんのご意見を頂けるとうれしいです。
また、ご質問、お問合せも随時受け付けております。


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