コラム

モノづくりはオンリーワンでなくファーストワンを狙え! ヒット商品を創り続ける方法

2020.12.10

企画

モノづくりはオンリーワンでなくファーストワンを狙え! ヒット商品を創り続ける方法

ヒット商品を創り出す有効なアプローチとして、世界初・日本初・業界初など “ファーストワン” を狙って企画していく意義について解説します。
3つのワン、ナンバーワン、オンリーワン、ファーストワンの中でも、モノづくりにはファーストワンが最も有効なアプローチです。

目次

「まだ誰もやっていない世界初の商品か、他社より断トツですごい商品を創れ! それ以外はダメ!」
私が某家電メーカーの企画チームに入った時に、当時の副社長から言われた言葉です。

何をしてよいのかさっぱり分からず、とんでもないところに来てしまったと途方に暮れる毎日でした。
しかし今振り返ってみると、新規事業や新商品の企画、特にモノづくりにおいては ”世界初”、”日本初”、”業界初” など、「ファーストワン」を狙って企画を進めることは、非常に有効なアプローチだと確信しています。

スーパーヒットとはいかなくても、ファーストワンであることは確実な差別化となり、小さなヒットは確実に生むことができます。
程度の差はあれど、ファーストワンを生み続けることができれば、企業としても非常に強くなり、ブランドが構築されていきます。
さらには、企画力、技術力もどんどん向上していくでしょう。

一見ハードルが高そうに見えますが、モノづくり、特に技術で勝負したい企業にとっては、世界初、日本発、少なくとも業界初など、ファーストワンを狙うアプローチは実は最もリスクが低い方法です。

ここではその考え方について解説していきます。

■ヒット商品の条件「3つのワン」

商品やサービスを企画したり、アイデアを出すとき、どのようなアプローチをしていますか?
言い換えると、何を狙ってアイデアを出していますか?

”売れる商品”
”顧客視点”
”強みを活かす”
”差別化” などなど。

どれも正解です。
しかし売れるかどうか、本当に顧客視点になっているかどうかは、やってみないと分からないことが多く、確証が得られないのが事実です。

ヒット商品の条件、メディアに取りあげられやすい条件として、「3つのワン」のどれかをつくれとよく言われます。

・ナンバーワン   最高、最大、最小 など
・オンリーワン   唯一、日本唯一、業界唯一  など
・ファーストワン   世界初、日本発、業界初  など

漠然と売れるかどうかを考えてアイデアを出していくより、これら「3つのワン」を狙って企画を進めるのは大変効果的です。
とはいえ、この3つのワンはそれぞれ性格も戦略の採り方も異なります。

ではどの「ワン」を狙ったらよいのか?
まずはそれぞれの性格、戦略の採り方を見ていきましょう。

■ナンバーワン

”ナンバーワン”は、最高、最大、最小 など、その性能が最も優れていることを指します。

顧客にとっては価格が同じであれば、性能などでナンバーワンであることは魅力的です。
場合によっては価格を上げることも可能でしょう。

他社に対して断トツ・ナンバーワンを確実にとれるのであれば、ナンバーワンを狙うことは有効な戦略です。
ただし、断トツであることが必要です。

ナンバーワン戦略は強者がとる戦略です。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャックウェルチ元会長がシェアがナンバーワンかナンバーツーの事業だけを残し他の事業は撤退させた戦略は有名です。

すでにあなたの会社や事業がその領域でナンバーワンであれば、他社の攻撃を抑え、なんとしてでもナンバーワンを維持していきましょう。
一度ナンバーツーに下がってしまうと、ナンバーワンへの返り咲きは相当の労力と費用がかかるのが一般的です。

また、あなたの会社や事業が現在ナンバーツーの状況にあり、さらにナンバーワンを狙える位置にある場合は、多少思い切った費用をかけてでも、ナンバーワンの地位を獲得することは有効な手段です。

このようにナンバーワン戦略はすでにナンバーワンのポジションを築いているか、確実にナンバーワンを狙える企業がとる戦略です。

この記事をお読みになっている方の多くは、これから新規参入を狙っていたり、現在シェアが低くどのようにシェアアップしていくかといった課題を抱えているかと思います。

そのような場合、競合がひしめき合う環境で中途半端にナンバーワンを狙うのは非常に危険です。

大手企業で豊富な資金を投入できたり、圧倒的な技術力で確実にナンバーワンポジションを獲得できることが見えている場合以外はとるべき戦略ではありません。

■オンリーワン

昨今の新規事業ブーム、起業ブームで最も多く提唱されているのが ”オンリーワン” です。

マーケッターと呼ばれる人たちからは、オンリーワンマーケティング、オンリーワン戦略など、「オンリーワン(唯一)を狙え」 というアプローチが最も多く提唱されています。
そのため ”オンリーワン” に関する書籍、インターネット記事が多数存在し、セミナーもたくさん開催されています。

競合がひしめく領域を避け、土俵を変えて、自社のポジションを築くアプローチです。
ブルーオーシャン戦略などもこの考え方です。

地域限定の店舗やサービス、士業の方々が○○唯一と訴求ことは有効です。
また、モノづくりでも全く独自の領域を築き、そのポジションを確実に継続できる場合は有効なアプローチだと思います。

しかし、オンリーワンにもリスクがあります。
よほどの独自性やニッチな市場でない限り、その市場が魅力ある市場であればあるほど、必ず競合が参入してきます。
逆に競合が参入してこない場合は、ビジネス的に魅力のない市場なのかもしれません。

この場合、企業の体力がなければ、自社のポジションが不安定になりオンリーワンを維持できなくなる場合も少なくありません。
また、オンリーワンにこだわるあまり、狙った市場がニッチ過ぎてしまい、売上が全く上がらないということもよくあります。

オンリーワンを狙う場合はしっかりとした戦略をたて、市場規模もあり、かつオンリーワンと言える領域を探しましょう。

■ファーストワン

ナンバーワン、オンリーワンと比較すると最もマイナーですが、モノづくりに非常に有効なアプローチが “ファーストワン” です。

ファーストワンは、世界初、日本初、業界初など、その事業や商品、技術などが「初めて」世に出るというものです。

ファーストワンは最初から競合が来ることを想定しているアプローチです。
競合が参入してきた場合は、「わが社が元祖」と訴求しながら、続く第二世代でもその領域でファーストワンを出し続け、最終的にはナンバーワンを目指しましょう。

あるいは独自路線を歩み続け、オンリーワンとして訴求することもできます。

ナンバーワン、オンリーワンが戦略とすると、ファーストワンはそれらを築くための戦術ともとらえることができます。
さらにはファーストワンを出し続けるクリエイティブカンパニーとしてブランドを築いていくこともできます。

「業界初、世界初なんて、大手だからできることでしょう? 」 とよく言われますが、そんなことはありません。
中小企業でも世界初や業界初を生み出し続けている会社はたくさん存在しています。

逆に差別化が明確になっていない新規事業や新商品は、たまたま売れることはあっても、価格競争に陥るなど、ほとんどの場合失敗してしまいます。

ファーストワンで確実な差別化ポイントを創り、さらにファーストワンを出し続けることで、企業は強くなり、ブランドを築き上げていくことができます。

新規参入や弱者こそ狙うべき戦略です。

書籍「オンリーワンのつくり方」(川口正和著/講談社)には、次のような記述があります。

”「オンリーワンを目指すには、まずファーストワンを狙え」”

モノづくりは、まだ誰もやっていない”世界初”、”日本発”、”業界初”など “ファーストワン”を狙いましょう。
そして小さくてもいいのでファーストワンを創り続けましょう。
必ず会社が強くなります。

■まとめ

売れる商品、サービスを創るためのアプローチとして3つのワンがあります。

・ナンバーワン
・オンリーワン
・ファーストワン


ナンバーワンは、すでに断トツナンバーワンであったり、必ず勝てるだけの資金を投入できる大手がとる戦略、つまり強者の戦略です。
そうでない会社の場合は、とるべき戦略ではありません。

オンリーワンは、マーケティング的に最も提唱されている戦略ですが、リスクもあります。

魅力ある市場となった場合に他社が参入してくるとオンリーワンではなくなってしまいます。
また、オンリーワンを狙いすぎるために、ニッチ過ぎる市場となり、売り上げが上がらない場合があります。
気を付けてよく戦略を練って狙うべきアプローチです。

ファーストワンはモノづくりには最も有効なアプローチと言えます。
業界初、日本初、さらには世界初であれば、インパクトも強く、それだけで差別化が明確になります。

他社が真似してきた場合は、自社が元祖、我々が最初にやったと訴求できます。
またニッチな市場で他社が参入してこない場合は、オンリーワンと訴求することもできます。

一見ハードルが高そうに見えるファーストワンですが、正しくアプローチすることによって、程度の差はあれど必ず実現できます。

ファーストワン ー ”業界初” ”日本初” ”世界初” を創りたいけれど、どうアプローチしてよいか分からないと言う場合は、遠慮なくお問合せ頂ければと思います。
まだ誰もやっていない世界初、少なくとも業界初をいっしょに創りましょう。
関連記事
新着記事