ユーザーの潜在課題や潜在欲求の分析がヒットを生む
ヒットする商品を生みだすためには 新しい技術や画期的なアイデア が必須と考える方も多いかもしれません。
実は商品企画においてはちょっとしたアイデアを付加するだけで大ヒットにつながることがあります。
そのためにはユーザーの嗜好や課題をしっかり分析し、ユーザーの「潜在課題、潜在欲求」を探すことがポイントになります。
■ ヒットを生むのは新技術だけではない
先日の日経クロストレンドに興味深い記事がありました。
「2021年上半期記事ランキングから見るヒット商品の意外な共通点」
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00506/00001/?n_cid=nbpnxr_mled_feature_01
その記事の中に「ヒットを生むのは新技術だけではない」という記載がありました。
私もまさにそういった体験をしてきました。
もちろん、新しい技術で画期的な新商品を企画していくのは大切なことですが、ちょっとしたアイデアだけで、ヒット商品が生まれたりすることがよくあります。
この記事にはコカ・コーラに関するこんな例が挙げられています。
コロナ禍での在宅が増えたことから、スーパーでコカ・コーラを買う人が増えたことに着目し、コカ・コーラのペットボトルラインアップを従来の500ml、1.5L から、350ml、700ml、1.5Lへと切り替えた。
一人で飲む350ml、家族で飲む700mlというラインアップへと切り替えたことで売り上げが大幅にあがった。
という内容でした。
このように 新しい技術や画期的な新商品でなくてもヒットを生むことは可能です。
ユーザーの嗜好の変化や環境の変化によって求められるモノやコトは変化していきますが、既存事業の商品企画の場合は、その変化をうまく捉えて、ちょっとしたアイデアを付加するだけで、ヒットが生まれるカギになることがあります。
同記事には他にも参考になる商品アイデアが挙げられています。
参考にしてみてください。
■ 新技術や画期的なアイデアにこだわらない
新しい技術や画期的なアイデアにこだわりすぎず、ユーザーの嗜好や課題をしっかり分析することで、それらを解決してくれるちょっとしたアイデアがヒットにつながることがよくあります。
私自身も記録メディアの商品企画を担当していたときに、次のようなちょっとしたアイデアを付加したことによってヒット商品になったり、ロングセラーにつながったりした経験があります。
・パッケージの表記を英語から日本語にした
・ユーザーの嗜好にあわせて他社にないラインアップを追加した など
もちろんそういったアイデアに至るまでには、相当のヒアリングやユーザーの嗜好調査を経ていますが、画期的な技術を使ったわけではありません。
ユーザーのかゆい所に手が届くようなアイデアを見つけていくのですが、「かゆいところ」は環境でどんどん変わっていきます。
また、ユーザーの嗜好や環境の変化によってだけでなく、新しい商品がどんどん発売されることによっても、ユーザーからの課題が変化していきます。
そこをうまく見つけていくことが企画のアプローチとしてとても有効になってきます。
メーカーにいると、ついつい新しい技術にこだわってしまうことがありますが、ユーザー視点でかゆいところを探していくアプローチを大切にしてください。
ただ、参入障壁が低い場合は、必ず他社もすぐにマネしてきます。
ヒットに安住せず、どんどん新しいアイデアで逃げ切る戦略も頭の隅に置いておくと良いでしょう。
■ 顧客は答えをもっていない
さて、前の章でお伝えしたように、ちょっとしたアイデアでも顧客の課題解決につながれば ヒットにつながります。
とは言え、そんなに簡単にアイデアは浮かんできません。
ここではアイデアを生むためのアプローチのヒントをお伝えします。
新商品や新サービスを考えるのに最初に行うのがユーザー調査やユーザーヒアリングです。
私もよく行っていました。
ここでよくある失敗が、
「ユーザーに答えを求めてしまう」
ことです。
これはだけは断言できますが、ユーザーは答えを持っていません。
答え自体をユーザーに求めるのではなく、答えになるヒントを探しにいくつもりでないと行き詰まってしまいます。
ユーザー・顧客の課題や欲求には2つの種類があります。
①「顕在課題・欲求」ー ”顧客が気づいている課題・欲求”
②「潜在課題・欲求」ー”顧客自身はまだ気づいていないが、潜在的には存在している課題や欲求”
ユーザー調査やヒアリングでは、この「潜在課題、潜在欲求」を見つけることがポイントです。
「正解かどうか」、「必ず売れるかどうか」はその時点では分かりませんが、よいヒントは見つかるはずです。
そしてこの「潜在課題・要求」を分析してアイデアを生み出していきます。
さらに、そのアイデアを検証しながら企画を進め、いけそうだ、勝算がありそうだ と感じたら、それを信じてGoをかけましょう。
「顧客に何が欲しいか尋ねたら、もっと速い馬車が欲しいと答えただろう」
これは、フォードの創立者ヘンリー・フォードの言葉です。
顧客・ユーザーは答えをもっていません。
顧客ヒアリングやユーザー調査では答えを求めず、 答えにつながるかもしれないヒントを探しましょう。
■ まとめ
新しい技術で画期的な新商品を企画していくのは大切なことですが、商品企画の場合は、ちょっとしたアイデアで、ヒット商品が生まれることがよくあります。
新しい技術や画期的なアイデアにこだわりすぎず、ユーザーの嗜好や課題をしっかり分析することで、それらを解決してくれるちょっとしたアイデアがヒットにつながる可能性が生まれます。
ユーザーの嗜好や課題をしっかり分析し、アイデアに至るまでには、相当のヒアリングやユーザーの嗜好調査などが必須です。
しかしながら何度もヒアリングや調査をしたとしてもユーザーは答えを持っていません。
顧客ヒアリングやユーザー調査では答えを求めず、 答えにつながるかもしれないヒントを探しましょう。
そして顧客の「潜在課題・要求」を分析してアイデアを生み出していきましょう。
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