成功に導く 企画の進め方【その1】 企画をスタートする前に

2022.08.28

「企画はどのように進めればよいですか?」
「企画のプロセスが分からない」とよく相談を受けます。

企画の進め方は人それぞれやり方は違うかもしれませんが、企画という仕事に長く携わってきた経験から、私なりの企画のプロセスやパターンをお伝えできたらと思います。
全5回にわたって新規事業開発、商品開発現場での実践的な企画の進め方についてお伝えします。

企画をスタートする前に、まずは企画の目的や企画を進める状況、前提を確認しておきましょう。

■ そもそも企画とは何か

企画とは単に「アイデアを出すこと」と思われがちですが、実際にはアイデアを出すことだけが企画ではありません。
アイデアを実現するところまでが企画の範囲になります。

つまり、企画の ”目的” は「事業や商品・サービスを確実に立ち上げること」にあります。

そのため、企画マンはアイデアを出し、それを実現させる責任があるのです。

人によっては、アイデアを出すことや企画書をまとめることが、 企画の”目的” になってしまっていることがあります。しかしそれでは良い商品や事業は立ち上がりません。

企画を進めるときには、事業や商品・サービスを確実に立ち上げるために、まずその企画の ”目的” をしっかり定めましょう。


■ 企画を始める前に確認すべき3つの状況とは

企画を始める前に頭に入れておきたいのが企画スタート時の状況です。
企画スタート時の状況の違いによって心構えが違ってきますので肝心なところです。

3つの状況について確認しましょう。

状況1: 既存事業の新商品、新サービスの企画での場合において、条件や体制がすでに整っている

既存事業の追加の商品企画などがこれにあたります。

後継機種や派生モデルの企画で、社内体制、販売ルートもすでに存在しています。

体制が整っている分、やりやすい面もありますが、逆に関連部署や関係者からの期待やチェックも多くなり、説得作業も多くなる可能性があります。

状況2: 新規事業の企画で、ある程度の条件や体制が整っている

既存事業の拡大として、組織で新規事業に取り組む場合がこのパターンです。

推進体制などもあらかじめ与えられているケースです。

このケースでは体制はある程度あるものの、ノウハウや販売ルート開拓は新規であり、ハードルは高くなります。
しかし、全くの新規事業ほどの未知の開拓ではありません。

状況3: 新規事業の企画で、全くゼロベースからのスタート

自ら企画提案していく場合や、少人数で準備室などから新規事業を進めていくパターンです。

企画の可能性そのものの検討から入ります。
まずは企画を進めるための予算と人の確保から始まることになります。

やるべきことは多くなりますが、やりがいは大きく、成功すると新しいマーケットが開けるなどチャンスも大きいです。

状況は1から3になるほど新規性が高く、確認すべきこと、やるべきことが多くなります。

企画を始める際にはまず、自分の企画がどの立ち位置にあるのか、始める前に確認することが重要です。

そして新規性が高いほど最初から詳細を詰め込みすぎず、大まかなところから整理していくことが膨大な業務を進めていく上でのコツです。

■ 企画推進4つのステップ

企画の進め方は以下のように大きく4つのステップにまとめられます。

① 背景・目的の明確化と全体の進め方の確認
② 仮説の構築
③ 仮説の検証(PDCAをまわす)
④ 企画導入の計画の立て方


このステップを踏んで企画を進めていきます。
次回から、上記のステップ順に1つずつ見ていきたいと思います。

■ まとめ

いかがでしたでしょうか?
まずは企画の ”目的” が「事業や商品・サービスを確実に立ち上げること」であることを念頭において下さい。
そして、今立ち上げようとしている企画がどの状況にあるのか確認しましょう。
どの立ち位置にいるのかによって心構えが違ってきます。

成功に導く企画の進め方【その2】では、企画の実際の進め方「背景・目的の明確化と全体の進め方の確認」についてお伝えします。

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