成功に導く 企画の進め方【その3】 仮説の構築ー企画構想のまとめかた
2022.08.30
成功に導く企画の進め方【その2】では、企画をスタートする前にやっておくべきこととして「背景と目的の明確化と全体の進め方の確認」についてお伝えしました。
今回は「仮説の構築」についてお伝えします。
仮説の構築は仮説の検証とあわせて、企画の中で最も重要なプロセスになります。
不安もありますが、企画マンにとっては一番ワクワクするプロセスですね。
細かく記載しており、途中で断念したくなるかもしれませんが、ぜひ最後までお読みください。
不明点やご質問があればできる限りお答えしますので、遠慮なくお問合せください。
目次
■ 企画推進の重要プロセスー仮説の構築
背景や条件を確認したら、いよいよ実際の企画のスタートです。
企画の推進は仮説の構築とその検証と言っても過言ではありません。
大雑把でもよいので仮説を早期に立て、それをどんどん検証、軌道修正していくのが企画をすばやくまとめるコツです。
ここでは候補となるアイデアが既にあがっていることを前提とし、その後の企画をどのように進めていくかに絞ってお伝えします。
「アイデア自体をどのように出していくか?」については、「アイデアの出し方、つくり方」の記事をご覧ください。
アイデアの候補がでたら、“企画構想”としてまとめていきます。
最初はラフで構いません。
細部にこだわりすぎず、書けるところから全体を仕上げていくのがコツです。
私の場合は、”企画構想”としてパワーポイントで各項目ごとにページをつくり、自分あるいはチームメンバーが内容をどんどん埋めていく方法をよくとります。
何が課題かがよく分かるので、お奨めの方法です。
■ 企画構想の目的とまとめ方
企画構想には次のような項目を整理していきます。
1.プロジェクト名
2.想定市場・想定顧客
3.市場規模試算
4.顧客ニーズ
5.企画案(アイデア)
6.商品・サービスイメージ
7.競合情報
8.自社の強み・差別化
9.コンセプト・ポジショニング
10.ビジネスモデル・マネタイズ案
11.価格案・売上規模感
12.課題・調査中の項目など
13.今後の活動内容とスケジュール
「企画構想」の目的は、予算を組み、体制をつくり、「企画」を進めていくかどうかを判断することにあります。
よって、この目的にあう内容と粒度で効率よくまとめていきます。
仮説の検証【その2】でお伝えしたように、企画にGOサインを出す承認者によって要求される内容やレベルが異なります。
要求される内容やレベルが「企画構想」の中にきっちりまとめられているか、あらかじめできる限り確認しておいてください。
「企画構想確認会議」などを開催し、段階的に確認していくのがよいでしょう。
承認者や関係者への会議やプレゼンテーションでは、予算や体制構築、協力依頼など何を決めてほしいのかを明確にし、依頼します。
そして決定事項や課題を必ず議事録に残します。
情報提供や進捗報告のみであればそのように定義し、意見やアドバイスをもらいましょう。
それでは先ほどの項目を1つずつ詳しく見ていきましょう。
■ 企画構想の内容
1.プロジェクト名
メンバーや関係者のモチベーションがあがり、かつ呼ばれやすいプロジェクト名をつけましょう。
商品などがシリーズとして続く場合はシリーズ化できるプロジェクト名もお勧めです。
2.想定市場・想定顧客
想定する市場や顧客の状況をまとめます。
世の中の大きな動向(マクロ動向)が簡単にまとまっているとよいでしょう。
3.市場規模試算
新聞、インターネットなどの第三者の記事やデータがあると説得力がでます。
無い場合はざっくりでよいので試算しましょう。
4.顧客ニーズ
市場や顧客の課題、ニーズをまとめます。
顧客がそれを得られるとさらにどうなるのか、真のニーズまで深堀りします。
5.企画案(アイデア)
”誰の、どのような課題を、どのようにして解決するのか?” の視点でまとめます。
できる限り図示化します。
カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)やカスタマージャーニーを意識し、顧客視点でも整理します。
6.商品・サービスイメージ
費用をそれほどかけないで作成できるイラストやイメージモックなど、できる限り形にします。
商品であれば大きさや形をイメージできるもの、WebサービスであればGUIイメージ、その他のサービスもパワーポイントスライドやドキュメントだけでなく、具体的にイメージしてもらえるモノを早期につくるのがコツです。
説得力が格段にあがります。
7.競合情報
競合情報を調査しまとめます。
直接の競合だけでなく、脅威となる恐れがあるものはあげておきます。
8.自社の強み・差別化
競合に対する自社の強み、差別化ポイントをまとめます。
他社参入障壁が高いほど強い企画となります。
ここが弱い場合は他社の参入、特に強者の参入が想定課題となってきます。
商品やサービスの機能についての優劣比較表をよく見ますが、コンセプトの違いや強みを明確にしてください。
9.コンセプト・ポジショニング
企画案の項目で語ってもよいですが、競合情報も踏まえてコンセプト、自社ポジショニングを改めて語るのが分かりやすいかと思います。
説明しやすい方法で構いません。
この時点でキャッチコピー案やカタログイメージが明確になっているとベストです。
10.ビジネスモデル・マネタイズ案
既存カテゴリーの新商品では不要な場合もありますが、新規事業の場合は重要になるポイントです。
どのようにお金を得るのかを明確にします。
企画案自体がビジネスモデルと直結している場合は企画案で説明してください。
サービスビジネスの場合は特に重要な項目です。
11.価格案・売上規模感
まずは想定やイメージで構いませんので、価格案とそれに基づく売り上げの規模感を整理し、期待にあっているかを確認します。
ベストシナリオとワーストシナリオのように上手く行った場合とそうでない場合の幅を持たすのもありです。
12.課題、調査中の項目
確認できている課題、想定される課題をピックアップします。
対策案がある場合は粗くても構いませんので触れておきます。
また調査必要と考えている項目も整理しておきます。
13.今後の活動内容とスケジュール
今後の活動内容や進め方とスケジュールをまとめます。
図示化できる場合は図示化しておきます。
■ まとめ
「仮説の構築」についてお伝えしました。
先にも記しましたが、現状全体を整理することが目的ですので、きれいに書く必要はありません。
仮説の段階ですので、検証としての詳細調査は次の段階になります。
全体を網羅しまとめると、全体の把握ができるとともに課題のプライオリティが見えてきます。
そこからどんどん解決していってください。
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